ZEH仕様の注文住宅を建てるメリット・デメリットについて解説!

公開日:2023/08/15   最終更新日:2023/06/19

メリットデメリット

住宅を新築する際に、「ZEH」という言葉を目にすることがあります。ZEHとは、実質的にゼロエネルギー消費またはエネルギー生産量が消費量を上回る住宅のことを指すものです。では、ZEH仕様の住宅を建てることにはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?こちらでは、ZEHの基準や補助金などもふくめて解説します。

そもそも「ZEH」とは?

ZEHとは、ゼロ・ネット・エネルギーハウスの略称です。国が推進していることから、目にする機会が多い用語かもしれません。ここでは、ZEHの基準や補助金について解説します。

ZEHで重視される要素

ZEHで重視されるのは省エネ性能や断熱性が高く、エネルギーをみずから作り出す創エネの機能をもっていることです。省エネ性能を高めるためには、自宅で使っているエネルギーをモニタリングする必要があります。

そのため、HEMSなどの機器を導入しなければなりません。照明や冷暖房設備、家電製品なども消費電力が少ないものに変更します。断熱性・気密性が高い住宅は、夏涼しく、冬暖かい環境を作り出すのです。

高断熱素材やサッシを使用することで、高気密・高断熱の家にできます。また、エネルギーを生み出すための太陽光発電設備も欠かせません。夜間も太陽子発電由来の電力を使うのであれば、蓄電池も用意したほうがよいでしょう。

ZEHは補助金制度の対象

ZEHは経済産業省や国土交通省、環境省が連携して普及につとめています。1次エネルギー消費量が省エネ基準と比べ20%削減されていることや断熱性能が基準を超えていること、太陽光発電設備などを導入していることなどの条件を満たせば、1戸あたり55万円の補助金が支給さるのです。

ZEH+はZEHよりも厳しい基準を満たす必要がありますが、これを満たせば1戸あたり100万円の補助金が得られます。

ただし、こうした補助金を受けるには環境共創イニシアチブ(SII)に登録されたZEHビルダーに住宅の設計・建築を依頼しなければなりません。依頼しようとしている業者がこの基準を満たしているか、確認したほうがよいでしょう。

ZEH仕様の注文住宅を建てるメリット

ZEHには4つのメリットがあります。それぞれの内容を詳しく見てみましょう。

光熱費を削減できる

ZEH住宅は室内の熱を効率よくコントロールできるため、冷暖房の使用量を減らすことができます。そのため、光熱費を安くできます。しかも、太陽光発電で生み出した電力を自家消費できるので、その分の電気料金も削減できるでしょう。

災害時に電力を自給できる

近年は地震や台風、大雨などの自然災害が多発しており、大規模な停電が起きる可能性があります。天候が回復しても、送電設備の復旧に時間がかかり、その間電気が使用できません。2018年に北海道で発生した胆振東部地震では、日本で初めてのブラックアウトが発生しました。

ブラックアウトとは電力会社の管轄地域すべてが停電となるもので、胆振東部地震では北海道全域が停電となったのです。その後、50%の地域で停電が解消されるまでに30時間、全道の停電解消まで64時間かかりました。ZEHには太陽光発電設備があれば、その間も電気を使用できるため、ZEHは災害に強い住宅だといえます。

快適で体に優しい

ZEHは高断熱・高気密な家ですので、住宅内部の温度差を低くできます。壁際や足元だけが寒く感じられるのは、住宅の断熱性能が低いからです。ZEHではれば、住宅外部の気温変化を受けにくく、室温を快適な状態で保てます。

気温が低い冬は、脳卒中や心臓発作、ヒートショックのリスクが高まりますが、ZEH住宅であればこうしたリスクを軽減できるでしょう。

資産価値が高まる

ZEH基準を満たした住宅は、一般住宅よりも高く売却できる可能性があります。住宅性能の基準のひとつに「BELS」があるのです。

建築物の省エネ性能を示す第三者認証制度ですが、ZEH基準を満たしているとBELSでの評価が高くなり、売却時の資産価値を高く見積もってもらえる可能性が上がります。

ZEH仕様の注文住宅を建てるデメリット

ZEHには金銭面・安全面・健康面・資産価値など多面的な価値があるとわかりました。しかし、そんなZEHにもデメリットがあります。

初期費用やメンテナンスコストが高い

ZEH住宅は、本体の建築費が一般住宅よりも高いこと以外にも、省エネ設備の導入やメンテナンスなどで費用がかかります。太陽光発電設備の補修も必要です。ZEH住宅の機能を維持するため、ある程度の費用負担が継続的に発生すると頭に入れておきましょう。

発電量が天候によって左右される

ZEH住宅は発電量が天候で左右されます。太陽光発電はその日の天気によって発電量が大きく変わるのです。住宅を建てようとしている地域の日照時間を調べ、発電量を正確に見積もってからZEH住宅を建てたほうがよいでしょう。

まとめ

今回はZEH(ゼロエネルギーハウス)について解説しました。政府は2050年までのカーボンニュートラル達成のため、ZEHの普及を推進しています。補助金や環境整備などが行われ、ZEH住宅の建築が促進されているのです。

ZEHには金銭的なメリットや安全性、健康面、資産価値の向上など多くの利点があるので、積極的に検討する価値があります。ただし、建設や維持にはコストがかかるため、建築計画の際には慎重に資金計画を立てる必要があるでしょう。

 

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